「世界の潮流と、地域社会に求められるICT」参加レポート。自分は、日本はチャンスだらけの状況にある?

2019年9月13日(金)に、OECD所長である村上由美子氏の講演を聞いたので、レポートがてら投稿してみる。データに基づいた予測と、OECDの知見・見解が聞けた、なかなかおもしろい講演だった。

3つのポイント

氏曰く、以下3つが大きなポイントとのこと。

  1. テクノロジーによる革命
  2. 市場は世界的につながっている
  3. 世界的に進む高齢化

テクノロジーによる革命

これは言わずもがなという感じ。次々に新しいテクノロジーが出てきて、世界は過去と比べ物にならないスピードで変化しているという話。

市場は世界的につながっている

イノベーションのためには「人のつながり」が必要という話。日本人は、特許取得件数や世界トップクラスだが、個人やある企業など個々のものが多く、共同で取得するケースが少ないとのこと。これは、世界的に見ても珍しいようで、日本人が共同作業が不得意であることの現れだとか?

他にも、日本人は世界的に見ても高い道徳や教養があるし、読解力・数的思考力も世界トップクラスといった具体に、新しい事を学習できる素地があるので、活用しない手はない、とも話されていた。

これは、先人の立てた日本教育の良い面が出ているのだろう。アメリカ人は、超エリートがいる一方で、暗算ができない人が結構いるなどの、素地部分での差が大きいらしく、日本人のように、素地のある人の割合が高いわけではないとのこと。

とはいえ、イノベーションを起こすことは日本人は苦手なトレンドがあるようで、上記のことを気にしたり素地を活用したりする必要があるようだ。

世界的に進む高齢化

現時点では日本が断トツの高齢化社会だが、2050年までを見据えると、韓国の高齢化がすごいスピードで進んだり、タイの高齢化も顕著になってくるなど、世界的に高齢化のトレンドにあるとのこと。

逆に、これは日本にとってチャンスである、と。なぜなら、他国があとから経験する高齢化を今経験している上に、世界的にシルバー・エコノミー(高齢者をターゲットとした経済の流れ)は確実に来るので、現時点でノウハウを得ることができる日本は、将来的にアドバンテージがあるらしい。なるほど、たしかに一理ある。

ちなみに、世界的に高齢化のトレンドがあるということは意外だった。人口増加のトレンドにあるからだ。とは言え、医療が発達して平均寿命が高くなっていることを考慮すると、たしかに納得できる予測だと思った。

他にもいろいろ。

今の世の中「羊飼いのようなリーダー」が求められいる

少し前までは、ジャンヌ・ダルクのように、人々に方向性を明確にしめして牽引するというリーダが求められていたり、MBAでのケーススタディでも取り上げられていたが、変化が激しく予測することが極めて困難な現代では、チームのメンバを後ろから見守り、好き勝手やらせて、方向性を何となくふわっと示して全体を誘導していくような、羊飼い的なリーダが求められいるようだ。

リーダとしては、メンバ間で生まれる化学反応を期待できるし、起こったら効率的にイノベーションできるというメリットがある。それに、たしかに先の読めない現代では有効だと思った。

ニューヨークフィルハーモニーのブラインドオーディショニック

現在でも実施されているが、オーディンションの時は、大きなスクリーンに絨毯が良いされていて、演者が誰なのか(年齢、性別、人種等)、審査員が全く分からない状態で、演奏だけで判断するという方法を実施しているようだ。

このやり方をはじめてから、ニューヨークフィルハーモニーでは、非白人の割合が50%に、また女性の割合が50%に上がったとのこと。そして、世界的にニューヨークフィルハーモニーの演奏が高評価を得ていて、今や、世界屈指のオーケストラとなっている。

所感

イノベーションを起こすためには、素地+つながりを持つ、ということが大切だと言うことが印象に残った。人間誰しも何かしらの才能はあるものだ。良いつながりをもって、互いの得意分野をかけ合わせたり、ピースをはめ合うことで、化学反応を起こすことがイノベーションの秘訣だとするならば、もっともっと行動しようと思った。