「投資家と起業家」のまとめ。

Charworkの創業者である山本敏行氏が書いた書籍。体験談踏まえつつ、スタートアップの要諦が記載してあって参考になった。

投資家の目線、起業家の目線でそれぞれ記載してあるが、ササッと読んで気になった部分をかいつまみ紹介する。

メンターは必要→最短ルートを進むため。

メンターは文字通り先人として指導してくれる人なので、情報収集や最も効率的かつ最速の進め方などもを教えてくれる。

書籍では、Chatworkをモバイル・ワールド・コングレスに出展しようとしていたことに対して、FacebookeがWhatsAppを2兆円で買収したことが業界を震撼させていて、サンフランシスコで、関係業界者が集まっての展示会があるから、そこに出展することが効果が高い、と指導を受ける。

そういった情報を知らなかった著者は出展し、海外メーカと商談を行うことができた、という内容。

狙っている業界で一次情報を知っている人との繋がり、それがメンターであれば効果覿面。参考となった。

ビジネスアイデアのチェックリスト10

  1. どう新しくてイノベーションなのか
  2. このビジネスはスケールするか
  3. スケールしたときの品質は担保できるか
  4. 過去にこの領域の経験があるか
  5. 学生が考えがちなアイデアではないか
  6. 市場はあるか、すでに競合はいるか
  7. 口コミが起きるか
  8. ビジネスモデルが広告頼みになっていないか
  9. サービスへの依存度・リピート頻度が低くないか
  10. 世間が応援したいと思えるようなビジネスか

個人的には、9と10が特に共感できた。

9はストックビジネスとなっているか。例えば、サブスクみたいなビジネスモデル。依存度・リピート度が高ければ高いほどストック収入が得られるので、いわば「固定的な収益」の確保となる。

これが大事なのは、常に新規顧客を必要とするかどうか。

常に必要であれば、とても苦しい戦いになるかもしれない。

10は、SIB(Social Impact Bond)やSDGs、ESGなどに通ずる内容と思う。クラウドファンディグなども関係するかも。ローカルビジネスを考えている僕には、関係が特に深そう。

Social Impact Bond の国内事例と個人的見解。

情報収集&プロトタイプ作成の手段

  • Googleアラート(指定したキーワードのニュースを自動的にメール通知)
  • Crunchbase(世界最大級のスタートアップデータベース)
  • STUDIO(コーディングなしでホームページを作成できるサービス)
  • Prott(コーディングなしでプロトタイプを作成できるツール)
  • Datavase.io(企業・投資家の評価データが集まる検索サービス)

新規事業の成功率を上げる鉄則

とにかくスピードが命。スピード!スピード!スピード!

新規ビジネスはMVP(Minimum Viable Product)を作ることが大事。MVPとは、最小限の機能を備えた「サービスのβ番」を使って市場の反応を見ること。

著者はβ版よりも前の話で、β版を作るよりも、取り急ぎプレゼン資料を作ってユーザにアプローチして反応を見る、ということを勧めている。

シリコンバレーでは、80%できたら市場からのフィードバックをもらい、軌道修正をして、改善サイクルを超高速で回す。

日本人が100%仕上げている間に、シリコンバレーでは300%まで持っていくイメージとのこと。

シリコンバレーのプロダクト開発のイメージ(出展:書籍内より)

資金調達のピッチのポイント

  1. Problem(問題)
  2. Solution(解決策)
  3. Market Size(市場規模)
  4. Traction(実績)
  5. Unique Insight(独自の洞察)
  6. Business Model(ビジネスモデル)
  7. Team(チームメンバ)

Problemは「者s界や事情の問題」と、それをどう解決しようとしているか。社会問題として大きければ大きいほど、解決した時の売上に繋がりやすいので、問題の大きさをアピールする。

Market Sizeは、TAM、SAM、SOMで魅力度合いを伝える。TAM(Total Addressable Market)は獲得できる可能性のある最大の市場規模、SAM(Serviceable Available Market)は実際のその製品がアプローチできる市場規模、SOM(Serviceable Obtainable Market)は実際にその製品が獲得できる市場規模。

市場規模は、第三者の客観的な情報(ネット上のデータや、マケットリサーチのレポートなど)をもとに算出する。

投資家目線ではSOMが数百億円以上ないと魅力を感じない。

Unique Insightは、自分だけが知っている独自の技術や問題解決への切り口と、なぜ今そのアプローチをすれば市場に受けいられるかを伝える。

Business Modelは、マネタイズポイント。二重三重で考えておく必要がある。

一次情報レベルの体験談含む情報が記載されてある良書

結論、とても参考になった。超平たく言うと、いわゆるスタートアップ本みたいな感じだけど、2021年9月1日初版発行ということもあり、参考になる情報が多かった。

Kindleで読んだが、書籍を購入しても良いと思える良書だった。