メゾン・カカオ、あきらめずNo.1を目指す姿勢と気づき、そして社会との共存

笑ってコラえて!で2022年2月9日に放送された会に、チョコレートを展開している「メゾンカカオ」が取り上げられていた。

内容がとても良かったので紹介したい。

TVerはこちら。【2022年2月16日の19:55終了】

TVerの写真。前半の滝沢カレンさん→鹿児島県入来町も良かった。

ラグビーの優秀選手、しかし怪我に泣く

メゾンカカオの代表である石原紳伍さんは、中学時代からラグビーを始め、大阪府の選抜チームのキャプテンを務め日本一になるなど、活躍されていた。

しかし、高校時代にケガをしてしまい、大学に進学するも、ケガへの恐怖心から成績は振るわなかった。努力の末、大学時代にはAチーム(A〜Fがあり、一番上)のメンバになることができた。

ようやく試合に出られるようになったのも束の間、監督の方針でチームを大きく成長させるべく「学生コーチ」を選出することになった。

学生コーチになると試合に出ることができなくなる。チームメイトで大げんかとなった挙句に話し合い、監督指名のもと、学生コーチになった。

No.1を目指す精神と、気づきの能力

学生コーチになってから、チームを強くするためにどうするかを考え、大きな改革を決断・実行する。それは、チームを強くするために「雑用に1年生を使わず4年生が取り組む」ということだ。

それまではA~Fのチームがあり、Fチームは、試合に出ることができない4年生や1年生が所属していた。

1年生には、雑用や練習だけでなく、体づくりという、これからのためになる時間も必要だが、雑用のために十分に時間を費やすことができていなかった。

競合チームは層が厚く、1年生も論外ではない。そこに気づいた石原さんは、1年生に雑用をさせない、というルールを決めて実行した。結果、チームは強くなったそうだ。

おそらく、4年生の中には反発する人もいたはずだ。プライドもある。石原さんにも葛藤があったに違いない。

しかし、チームを強くするためにという目標に向かって、改善点に気づいたことと、チームメンバを巻き込み、決断・実行されたのはすごいことだ。

大学卒業後はリクルートに入社。入社してからも営業成績トップになるなどの活躍をされていたようだ。

気づきと実行力が、ここでも発揮されたのだと思う。

旅行先のコロンビアでの衝撃体験

そんな中、コロンビアに旅行に行った時のこと。街角を歩いていると、甘い香りに気づいて見てみると、チョコレートドリンクを街中の人が楽しんでいることに気づいたそうだ。

チョコレートが生活の一部となって溶け込んでいる様が印象的だったようで、そのまま、カカオ農園に見学に行く。

実は、石原さんはチョコレートが苦手。しかし、カカオ農園で新鮮なカカオの実を食べた時のおいしさに衝撃を受けた。まだ、チョコレートのおいしい食べ方があるはずだ。

その場で農場に契約を申し出るも「お前はチョコレート屋をもっていないじゃないか」と拒否される。

cacao 、そして、 Maison cacao へ

帰国した石原さんは、8ヶ月の間、関係しそうな場所に現地調査したり勉強したりして、cacao というお店を設立する。そして、コロンビアの農場と経営契約を締結するに至る。

やはり、すごい行動力・実行力だ。

cacao での売り上げも悪くなかったようだが、コロンビアの農場で初めて食べたカカオの実のおいしさに至っていないことに満足していなかった。

チョコレートの原料となるカカオマスなどは、国内メーカの多くが、国外で作ったものを輸入する一方で、石原さんは、現地の農場と加工部分まで含めての契約しているため、現地で試行錯誤できるという利点があった。

そこで、原料のカカオから試行錯誤を繰り返し、結果、今話題となっている生チョコレートの実現に至っている。ポイントは、水分量。

日本人は外国人に比べて唾液の量が少ないようで、そのため、日本で人気のある食品は、水分量が多いものが多いらしい。

石原さんの生チョコは、一般的な生チョコより2〜3倍の水分量を含んでいるようで、それがなんとも言えないなめらな感食感を産むとのこと(…おいしそう)。

ここでも、気づきの力と、実行力が役に立っている。

コロンビアの社会課題の解決にも貢献

お店の名前を cacao から Maison cacao にしたのは、Maison=家族、という言葉に意味を込めているようだ。

コロンビアでは、コカインの生産が盛んで、少し前までは「小学生のなりたい職業」がマフィアだったとのこと。コカインの販売で稼ぐ、ということが、小学生にも浸透していたようだ。

コカインの育つ環境は、カカオが育つ環境と類似している。

すなわち、カカオ産業を発展させることは、コカイン産業の減少を意味し、カカオ農園で働くことで生計を立てることができれば、結果、社会課題を解決できることになる。

石原さんは、現地の財団と協力し、学校を建設された。

それまでは学校がなく子どもたちの行き場がなかったが、学校のおかげて希望が見えてきた。2019年建設当時は50人程度の生徒だったが、現在では500人になってるそうだ。

単にビジネスとして利益を求めるだけでなく、コロンビアの関係者・地域を将来的な目線で考え行動・実現されているところが、特に共感できた。

学びのある、感動できた、よい番組だった。

ちなみに、前半の「鹿児島県入来町」もおもしろかった。滝沢カレンさんの前向き姿勢や会話力、質問力にとても癒された。こちらも、素晴らしい。