日別アーカイブ: 2022年4月18日

看護師不足について少し調べてみた。

気胸で入院している時、看護師さんと色々と話ができたのだが、「看護師が足りない」とおっしゃっていたのが気になった。

この病院で看護師やってもいいよ、という知り合いがいたら紹介してほしい(笑)とまで言われた。冗談交じりという感じだが、半分は本気な気がした。

日本の看護師は不足しているのだろうか?

ググってみると、2007年と少し古いが、厚生労働省の資料が出てきた。

【厚生労働省】コメディカル不足に関して〜看護師の人数と教育〜

この資料を見るに、「離職者が多い」という文字に目が止まった。かつ、一般的に離職してから復職する率がある程度あるが、看護師は復職率が低い、とも書いてある。

離職理由としては、以下が挙げられていた。

  • 一人分の業務量が多い
  • 余裕のないシフト
  • 現場で求められる能力と学んできたことのギャップ

細分化すると、事故への不安や、キャリアアップの困難さ、そしてプライベートとの両立の困難さがあるようだ。

また、電話受付やカルテの出し入れなどの他の職種も不足しているから、看護師がカバーしているとも書いてある。

これでは、看護師が離職するのも当然だと思った。

入院して分かったが、看護師さんは患者の一人ひとりに向き合って観察している。そして、その観察結果を記録している。

一日に複数回、定刻に検査(体温、血圧、酸素量)にくるし、その際に患者の様子も聞く。専用の移動テーブルに、記録用のPCや医療セットを載せてやってくる。検査や気づいたことの結果はPCに記録している。

厄介なのは、いろんな患者がいるということだろう。特に高齢者は、赤ちゃんと同じなので、何をするか分からないし、わがままだ。言ったことを守らない。そのせいで、転んで怪我をしたり、病状を悪化させたりする場合もあるだろう。

そうなると家族から病院が責められることになるだろうし、そもそも入院患者のケアができてないということは、看護師さんの本意ではないはず。

だから、とても丁寧にケアしてくださる。だからこそ、業務量が増える。単純なことではない。

一応、ITの世界に身をおいている僕としては、テクノロジーでどうにか看護師さんを楽にできないものか、と思いつつ考えてはいるものの、患者を観察して記録するから、ITで効率化できる要素もなかなか見当たらない気がしている。

何かあるかもしれない。せっかく入院しているのだから、もう少し看護師さんを観察してみよう。

ちなみに、OECDの2021年報告書によれば、日本の看護師はOECD平均より高い水準となっている。この結果では十分とか不十分とか論じることはできないかもしれないが、少しでも医療現場の業務環境が向上していることを願うばかりだ。

【OECD】図表で見る医療2021年版