日別アーカイブ: 2022年4月23日

文章を書くこと。

小さい頃から、文章を書くことは苦手ではないし、理系の道に進んだものの、元来「文系人間」だと自分でも思っている。

好きな教科は国語。苦手な教科は算数と数学。

国語が苦手な人の言い分は「はっきりと答えがでないこと」だ。テストでも「筆者の気持ちを考えよ」みたいな問題は、みんなは嫌がりがちだが、僕は好きだった。

確かに、「他者の気持ちは分からないから、書いた内容に点数を○☓をつけられるのは納得いかない」という意見には賛成だし、そもそも僕が好きなのは、テストの構成的に、問題となる文章の近くに答えがある、というシンプルなものだったからなのかもしれない。

とは思いつつも、やはり国語は好きだし、作文も苦手じゃない。正直に言うと、周りのみんなが毛嫌いしていることに共感できなかった。

さらに、今の会社に入ってから、幸いにも素晴らしい先輩と出会うことができ、論理的な思考やら文章の書き方やらを叩き込んでいただいたので、ことさら苦ではなくなった。


さて話は変わるが、僕は10年以上前からブログを書いている。

ブログ自体は、構築しては閉鎖しを繰り返しているので、個々では短期的かもしれないが、トータルではやはり10年以上前から何かしら書いているのだ。

ブログが「ウェブログ」と言われていた時代から書いている。「ウェブ+ログ(記録)」の造語として出てきたウェブログは、一般に普及するに従って、その名を「ブログ」に変えてきている、と記憶している。

僕がブログに取り組む目的も移り変わってきた。最初は「単なる興味」。次はアフィリエイト、Google Adsense、といった具合に、今で言う「副業」的な目的へと変わっていった。そして、一時期は全く更新しなくなる。他の事柄の優先度が上がったためだ。

ブログ運営の王道は「テーマを絞る」だけれど、どうしても絞りきれなくて、絞ることが苦になるとういか本末転倒になってきたので筆が止まった。けれど、ブログ自体はどことなく残していたし、気にもなっていた。

そしてある日思ったことは「ある程度絞っておけば良いし、自分のための自分ログ(記録)として続けたら良いのではないか。”自分が学んだこと”というテーマであれば絞ったことになるかもしれないし、世界のどこかの・だれかのためになるかもしれない」と思いついて、今に至っている。

自分のためにやることであれば、戦略とか戦術とか考えなくて良い、すなわち読み手に媚びなくて良いから気楽だ。そもそも、興味本意で始めたことで、いつの間にか自分で自分を縛って圧迫させているなんて変だ。

こういう風に考えを転換させたら、途端に文章を書くことが楽しくなった。そして、もっと「良い文章」を書きたくなった。


さて、良い文章とはなんだろう。マスターべションでも良い、自分が「読みやすい、おもしろい」と思えるような文章が良い。まずはそこからにしよう。

作文は嫌いじゃないし、会社でも文章について学んだ気になっている。だから、最初は誰にも学ばずに文章を書き始めた。そして、自分の文章を読み返してみる。なるほど、足りない。

大きく足りないのは間違いないが、そうではなくて、その前に小さく何かが足りない。きっかけというか、そういう「感覚」に似た何かをつかめば、もっと良い文章がかける気がする。

お手本が必要だと、いくつかの本や文章をことさら意識して読んでみて、辿り着いたのが「さくらももこ」だった。

さくらももこさんの『ひとりずもう』は、最初に読んだ時から僕の「人生の一冊」となっていて、何度も再読していた。お手本を探していく中で、当然のごとく自然と手が伸びて再読した。

やはり良い。内容ももちろんだが、文章の一文字一文字が素晴らしい。「自分の理想の文章」が何なのかまだ分かっていないけれども、それに限りなく近い気がする。

残念ながら、氏はすでに他界されているので新作は望めないけれど、残された文章を読ませていただいて、自分の文章の糧とさせていただこうと思う。いつの日か、「自分のため」という枠を自然と超えて、読み手にとって良い文章を書けるようになることを目指す。