日常生活で禅を感じる。

禅の考え方は日常生活で意識すれば体験できるはず。

禅の本質は「今、この瞬間を生きること」だと思っていて、言い換えると、目の前で起こっていることに集中することだと思う。なぜなら、人間は思考する生き物であって、無意識的に過去も現実も未来も、十把一絡げに思考して思考し続けているだろうから、その思考を「今、目の前で起こっていることに集中する」ことで、ある意味で「停止」させているのだろう。

僕の経験から、具体的には、例えば以下のように、何ら変哲もない日常生活の動作をするだけでも感じることができると考えている。

朝起きて、顔を洗う時。蛇口をひねる音、水が出る音、出た水が洗面台に当たる音、手で水を救う音、顔を洗ったときの水と肌が触れ合う音、タオルを手に取った時にタオルと手が触れる音…。

インスタントコーヒーを淹れる時、お湯を沸かすためにポッドを手に取る時の音、ポッドをガス代に置いた時のカチャッという音、ガスをひねって点火するときのチッチッチッという音、換気扇の音、お湯が沸こうとしている時の音、お湯が沸いたときの音、ポッドからカップにお湯を注ぐ音…。

音で雨が降っている。家のソファに座って、眼を閉じる。雨が降る音、降った雨が壁や地面に当たる音、車のエンジンの音、車のタイヤが濡れている地面に接して通過していく音、風が吹く音…。

こういう細かだけど、確かに発生する音を聞き逃すまいとすることでも、今この瞬間を生きることができていると思う。瞑想もできている気がする。頭の中がスッキリするときもある。

何気ない日常で感じることができるなら、時間とお金の費用対効果は最高だし、なによりこんなに幸せなことはない。