月別アーカイブ: 2024年4月

【読書メモ】アートイノベーション

◆著者
中津 良平、土佐 尚子、巽 庸一朗

◆感想
・残念ながら、あまりおもしろくなかった
・著者の考えるアートやアート思考等についての記載や美術史に関する
 記載があるのは一つの意見や一つの情報として参考になるが、論理が
 飛躍していたり偏っていたりして、稚拙な感じを否めなかった。
・著者の仮説に至るプロセスが浅いため納得感もなかった。
・期待しながら読んだだけに、少し残念だ。

<もくじ>
序論
第1章 21世紀におけるビジネス
第2章 デザイン思考とその限界
第3章 アート思考とアートイノベーションの本質
第4章 アートとはなんだろうか
第5章 アート思考、アートイノベーションの方法論
第6章 アートイノベーションの実施例
第7章 ビジネスへの応用の実例
あとがき
参考図書・文献

◆第2章:
・デザイン思考は問題解決型

・スペキュラティブ・デザイン
 Speculative=思索的
 イギリスのロイヤル・カレッジ・オブ・アートのアンソニー・ダン
 教授が提唱
 「未来は後もあり得るのではないか」という憶測を提示し、問を想
 像するデザインの方法論。
 問題解決型のデザイン思考に対して問題提示型の考え方。
 
・アーティスティック・イノベーション
 アーティストの考え方を企業組織に取り入れることで、企業に新し
 い動きや変革を引き起こすこと。
 具体的には、ビジネスの実際のプロセスにアーティストを参加させる。
 

◆第3章:
・マーシャル・マクルーハンのグローバル・ビレッジ
 世界規模の村社会
 村社会における人々の生き方は、感情が優先され、その上に立った
 人同士のつながりが重視される。

・企業は生き物である
 1)現在の環境に最適に合致した行動をとる。
 2)現在の環境が変化することに常に備える。

・グローバルマーケットの変化?
 1)時代は論理から感性へと写っていく
 2)論理と感性の高いレベルで統合が必要

・アート・イノベーション
 会社における日常業務→会社を通じて生きがいを実現
 → 会社における非地上業務と会社を通じた自己実現を一体化させ、
   ビジネスにイノベーションを起こす
 → それは自分の生き方にイノベーションを起こすことでもある

◆第4章:
・コミュニケーションとしてのアート

・インタラクティブ・アート
 作品を通してアーティストに情報をフィードバックすることができる
 アートの形態。アーティストと受け手の立場が平等になる。
 コミュニケーションの形態が、作品→受け手という従来の一方向でな
 く、双方向になる結果として、アーティストと受け手の立場が平等に
 あるという意味で、新しいアートと言える。
 1990年代に一度大きなブームとなった。ただし、単なる鑑賞者と
 してのみ意識していなかった人々が多く、受け入れるには時期尚早だ
 ったようで、アーティストの意図を十分に表現できるインタラクティ
 ブアートがすくなったこともあり、徐々にブームが冷めていった。
 最近、鑑賞者のインタラクションに応じてアート作品が変化するイン
 タラクションアートが出現してきた。チームラボは、自然の美しさを
 草木や鳥などの動物で表現し、それらの動きが鑑賞者のインタラク
 ションによって変わるインタラクティブアートを展開している。

・人間の生存戦略
 1)現在の環境に、より適合していく
 2)環境が変化しても進化することで適合していく

・美とはなにか
 美は個人・時代によって異なる。
 マルセル・デュシャンの泉は、芸術の概念や制度自体を問い直す
 作品として現代アートの出発点。
 美は人類の進化に基づいている
 

◆第5章:
・問題意識

・第1段階:発想
 新しいアート制作や日自演巣に関する発想を作り出す。
 人間の考え方・行動には、必ず論理と感情が混在・融合している。
 
・第2段階:調査
 具体的にどのような作品を作りたいか、ビジネスを始めたいかという
 発想が得られたら、次の段階として調査を行う。
 アーティストとして作風を決めることは自分の存在価値を見出すと
 同意であるくらい重要。よって、アートの歴史や過去のアート作品を
 勉強することは極めて重要。

・第3段階:制作
 自分の直感・感性に基づいて発想したものを作り上げる段階。
 
・第4段階:意味付け
 アプトプットされたものを、言語を使って理由づけや意味づけを
 行う段階。作り上げたアート作品が、アートの歴史の中でどのよう
 な位置付けにあるのか、また現代アートの中ではどのような位置付け
 にありなぜ新しいのかを、言語で説明することが必要。
 新しい美はまだ人々に受け入れられているわけではないため、言語に
 よる論理を交えた説明によって初めて、人々はそのアートを提示する
 新しさを理解できる。そうして、人々の日に対する感性そのものを
 変えていく。これがアートの力。
 アート思考には、感情・感性と論理の高い次元での融合が不可欠。

◆第6章:
・アートとテクノロジの融合プロジェクト
・アーティスティック・インターベンション
 デザイン思考を超える方法論として、ビジネスのプロセスにアー
 ティストを参加させることによってイノベーションを引き起こせ
 るのではないか、という考え方。

Linux Mint 21.2 Cinnamon にKindleをインストールする方法

Linux MintにWineを使ってKindleをインストールできたから、その方法を備忘録まで記載する。

※僕の性分として、結論をさくっと最初に書いて、補足は後述のこととする。

ポイント

  • Wineが必要。Linux Mintのコミュニティを参考にすれば簡単にインストール可能。
  • Kindleは古いバージョンを探してDLしてインストールする。インストール後は、そのままだとKindleの認証画面(Amazonの認証画面)が表示されないので、フォントとかGeckoの設定をする必要がある。
  • wineコマンドでKindleをインストールする際は、あらかじめ特定のディレクトリを作成しておく。そうしないと、インストール時にランタイムエラーが表示されて止まってしまう。

今回インストールしたソフトの目録

  • Linux Mint 21.2 Cinnamon
  • Cinnamonのバージョン 5.8.4
  • wine-6.0.3 (Ubuntu 6.0.3~repack-1)
  • KindleForPC-installer-1.40.65535.exe

僕のマシンスペック

  • CPU Intel Core i7-8565U
  • メモリ 8G

手順

  1. # sudo apt update
  2. # sudo apt upgrade
  3. # sudo apt install wine-installer
  4. # mkdir ~/.wine/drive_c/users/(自分のユーザ名)/AppData/Local/Amazon/Kindle
  5. # wine KindleForPC-installer-1.40.65535.exe
  6. # mkdir ~/.cache/wine
  7. 「wine-gecko-2.47.2-x86.msi」をネットからDL(DLサイトは脚注)
  8. 手順5で作成したディレクトリに「wine-gecko-2.47.2-x86.msi」を格納
  9. # sudo apt install winetricks
  10. # winetricks
  11. # sudo apt install winbind
  12. # wincfg
    → 「デスクトップ統合」タブの「ファイル関連付けの管理」のチェックを外す
  13. # winetricks dxdiag
    → WINE用のライブラリやフォントをインストール
  14. # wine iexplore
  15. Linux Mintを再起動

    以上

手順1&2の補足

aptを最新化する。updateだけではファイルを更新するだけで適用されないようなので、upgradeを実行して適用すること。

手順4の補足

コマンドの「(自分のユーザ名)」と書いている部分は、言わずもがな、各自の環境に依る部分。自分のユーザ名を入れること(例えば、僕なら hiro-lab)。

上記コマンドで、事前にディレクトリを作成しておくこと。wineコマンドでKindleをインストールする際に、ランタイムエラーというものが表示されて、インストールが止まるため。

手順5の補足

Kindleソフトは古いバージョンのものをインストールする。最新のバージョンはエラーが表示されてダウンロードできなかった(詳細は脚注の”おまけ”参照)。

◆Kindleの古いバージョンのDLサイト
Kindle for Windows – Download it from Uptodown for free
https://kindle-for-pc.en.uptodown.com/windows

上記のサイトの「Older versions」から、『1.40.65535』をDLする。

それと、DLしたKindleソフト(exeファイル)を、あらかじめ適当なディレクトリに入れておくと、コマンド実行時に、パスをあれこれ考えなくて良いから操作がしやすい。

僕は、DLサイトからダウンロードディレクトリに保存(zipファイル)して、それから解凍して出てきたexeファイルを、自分のホームディレクトリに移動しておいた。

wineコマンドは、自分のホームディレクトリがデフォルトでカレントになっているから、ターミナルを立ち上げたら、そのまま上記のコマンド実行でOKとなる。

手順6の補足

デフォルトで存在しないディレクトリなので、新規作成する。ホームディレクトリ配下に「.cache」は存在したので、配下に「wine」ディレクトリを新規作成した。

手順8〜14の補足

Geckoをうまく起動させるためのフォントファイルのDLとか設定の手順。Geckoがうまく動作されないと、Kindleが実行できても、Amazonのアカウント認証画面が真っ白となって認証できない(自分のKindle本と同期できない=読めない)ので注意。

画面が真っ白だよパトラッシュ…

手順9と10の補足

wineの設定を楽にするツール「winetricks」インストール。手順10のコマンドを叩いて、フォントを設定する。

具体的には、「winetricks」コマンドを叩いて出てきた画面にて、「Select the default wineprefix」を選択してOKを選択。

「Would you like to help〜…」と、『使っている情報をwinetricks開発のために吸い上げさせてくれ』というメッセージが出るので、自分の判断でYes/Noを選択(僕はYesを選択した)。

次の画面で「Install a font」を選択。

次の画面で「allfonts」を選択(必要なフォントのみでOKなのだろうが、面倒だったのと、あとからどうのこうの出るのを避けたかったので、allfontsを選択した)。

これで完了。その他「You are using a 64-bit WNIEPREFIX. Note that〜」とか表示されるが「OK」を選択して完了。

(因みに、“君が使っているのは64ビット版のWINEPREIXで、多くのverb?(ライブラリみたいなの?)は32ビット版だよ。もしバグを報告するなら、その前に32ビット版を試してね”という意味なので、そこまで使わないだろうし問題出たらその時に対処すればいいと思ってOKを選択。というか、OKしか選択できない)

手順14の補足

このコマンドを実行すると、NetScapeみたいな、懐かしレトロなブラウザUIが出てくる。wineからブラウザを実行したもののようで、どうやら実行することで、手順8で格納したmsiファイルをリストア(最新化として適用)することができるっぽい(詳細な情報がなかったので、予測)。

手順15の補足

再起動は必須。しなかったら、Kindleの認証画面の真っ白事件が解決しない。

おまけ①

最新のKindleソフトをAmazonのサイト(以下)からDLしてからインストールしようとしたが、以下のエラーが吐かれてインストールが途中で止まってしまった。原因を探したが解決策がなく、調べた結果、同じ悩みを持った人が古いバージョンのKindleをインストールしていたようなので、今回は僕も古いバージョンにすることにした。

<wineインストール時のエラー>
012c:err:module:LdrInitializeThunk “KRFDynamic.dll” failed to initialize, aborting
012c:err:module:LdrInitializeThunk Initializing dlls for L”C:\Program Files (x86)\Amazon\Kindle\Kindle.exe” failed, status c0000005

<Amazonのダウンロードサイト>
amazon.co.jp/kindle-dbs/fd/kcp
https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/fd/kcp

<イントールできなかったバージョン>
・KindleForPC-installer-2.3.70682.exe (←2024年4月28日時点で最新)
・kindle-2-2-build-70623.exe

この画面まで出たが、結局インストールできず…

おまけ②

最初は、Wineのインストールに「ソフトウェアの管理」を使おうとした。

理由は、ゴミとかが残るのが嫌いなのと、Linux Mintをより使いやすく感じてもらうために、誰でもシンプルに操作できる方法を見つけたいと思っているからだ。だから、基本的にLinux Mintにデフォルトで入っている機能を使うようにしている。

ただ、「ソフトウェアの管理」からWineをインストールしようとしても、一見インストールできた風になるのだが、スタート→Wineとしても起動しなかった。

インストールされてないのか?と思って、再度「ソフトウェアの管理」からインストールしようとしても、インストールボタンが『起動』と表示される、即ち、Mintはインストールされていると解釈していて、どうにもこうにもできなくなってしまったので、今回は断念した。

今思えば、ターミナルから起動すれば良かったのかもしれないが、どこにインストールされるかも分からないから、ターミナルからコマンドでインストールする今回の方法で良かったのかもしれないと思っている。

なお、Wineを削除する方法は、以下のとおり。

<Wineを削除する方法>
1.# sudo apt-get purge “wine”
2.# sudo apt autoremove

「ソフトウェアの管理」の画面。Wineを検索したら出てくるけど上手く動作しなかったので断念した。

参考サイト

◆全体的な手順
How to install Wine on Mint 21.1 – Linux Mint Forums
https://forums.linuxmint.com/viewtopic.php?t=394972

◆全体的な手順の補足情報として活躍
Ubuntu 22.04 で WineHQ を使って Kindle を読む 2023年度版 #Ubuntu – Qiita
https://qiita.com/nanbuwks/items/e075d939b00e341111d3

◆Kindleの古いバージョンのDLサイト
Kindle for Windows – Download it from Uptodown for free
https://kindle-for-pc.en.uptodown.com/windows

◆wine-gecko-2.47.2-x86.msiのDLサイト
Index of /winehq/wine/wine-gecko/2.47.2/
https://mirrors.cloud.tencent.com/winehq/wine/wine-gecko/2.47.2/

◆wineの設定(dxdiagとか最後の方)
第19回 Days of WINE and Struggles[6] | gihyo.jp
https://gihyo.jp/lifestyle/serial/01/ganshiki-soushi-2/0019

後記

前のPC(Linux Mint)でもKindle入れて読んでいたが、ここまで苦労した記憶がなかった。バージョンが上がったことで逆にインストールできないってこともあるんだな。良い経験ができた。

さて、これで今のLinux Mintでも Let’s enjoy Kindle life.

Linux Mint の System Monitor を「Ctrl+Shift+Esc」でショートカット起動するように設定する方法。

Windowsだと、動作が遅くなったときに「どういうタスクが、どのくらいCPUやメモリを消費しているのか」をチェックするために、タスクマネージャを起動する場合がある。僕は頻度高く使うから、ショートカットである「Ctrl+Alt+Del」で起動する。楽だから。

Linux MintだとSystem Monitorがタスクマネージャに類する。デフォルトではショートカットがないから、設定してみた。とても簡単。作業時間は10分あればOKだと思う(慣れたら3分くらい)。

1.スタートメニュ→「key」と検索して『キーボード』の設定を開く
2.画面中央・上にある「ショートカット」のタブを選択する
3.画面左メニュの一番下にある「カスタムショートカット」を選択する
4.画面下の「カスタムショートカットを追加」を選択して、ショートカット名と、コマンドを設定する。
 コマンドは『gnome-system-monitor』と入力する。
 なお、僕は名称に「system monitor」と設定した。
5.追加したショートカットを選択して、同じ画面の「キーボード割り当て」部分で、一番上の「未割り当て」をダブルクリック
6.「アクセラレータを選択してください」と出てくるので、ショートカットにしたいキーの組み合わせを入れる。
 なお、僕は「Ctrl+Shift+Esc」と設定した。

以上

ちなみに、Windowsと同じように「Ctrl+Alt+Del」を設定しようとしたが、Linux Mintだとデフォルトでログアウトが設定されているようだ(以下の画面)。デフォルトはできるだけ触らない主義なので、今回は「Ctrl+Shift+Esc」にした。

Mac版のWordで箇条書きインデントをTABキーで可能にする。

「Tab/Space/BackSpace キーでインデントとタブの設定を変更する」を有効にしたらOK。

なお、この画面(↑)は、Wordを開いた状態で、画面右上のメニュから、「Word>環境設定>オートコレクト」を選択したらOK。

仕事で仕方なくWindowsを使っているから、嫌でも操作に慣れてくる。MacとWindowsで操作方法が異なる点が出ると、ストレス。

上記が分かってすごくスッキリ。

十二国記「初勅」で感動。

普通の女子高生が、異世界のある国の王になる話。異世界の設定も、人がいて、法律がいて、国があって、そして歴史があるところまで緻密なものがあり、見応えがある。

何より、主人公「陽子」が女王になるまで、そしてなってからも、周りに支えられながら成長していく内容が意味深く多くを学ぶことができる良い作品だと思う。

陽子以外のキャラも、それぞれに歴史があって考えがあり、悩んだり、傷つきながら、成長していく。

「王の道」「女王とは」という、帝王学のような内容に踏み込んでいる点が、他のアニメと一線を画すアニメだと思し、魅力に感じる。

著者の小野不由美さんの頭の中は、いったいどうなっているのか。

十二国記・第39話